米中貿易戦争のわかりやすい解説

たかはしよしゆき(@yoshi0418)です。

ニュースで話題になっている、
米中貿易戦争について、わかりやすい解説を目指して、
書いていきたいと思います。

ことの発端は何かと言うと、

トランプ大統領

です。

大統領になる前に、「不動産王」と呼ばれた
トランプ大統領が問題しているのは、
アメリカの貿易赤字です。

それを、解消するために、
行動を起こします。

貿易摩擦の問題は
トランプ大統領が登場したから表面化しましたが、
実はアメリカにはもともと、
中国の成長に関するモヤっとした思いがあります。

例えば、
アメリカの軍事技術や宇宙開発をやっている権力者や研究者の中には、
中国が軍事に応用可能な重要な技術を吸収して
アメリカに対抗してきたとした場合、

国と国との安全保障、
軍事の問題でも優位性が取りにくくなると思うわけです。

そういう、
貿易戦争とはあまり関係ないようなことも含めて、
中国との関係性について、アメリカ優位に働くよう、
このタイミングに合わせてなんとかしようと、
どんどん激しくなっていったという側面もあります。

トランプ大統領は中国製の安い商品に目を付けた。

日本人だったら馴染みがあると思いますが、
中国で作られた製品は、とても安いですよね。
事実、日本でも100円均ショップなどで、バーっと色々なところで安く売られています。

その中で、
トランプ大統領は言いました。

何を言ったのかというと、
中国が世界中に安く作り広めていた「鉄鋼製品」に、
関税を掛けると宣言しました。

関税というと馴染みがないように思えるかもしれませんが、
海外旅行に行った時、
帰りにお土産をたくさん持ち込みすぎると、税関を通る、あれです。

例えば、
ワインを規定量以上買うと、税関でお金を払わないと持ち込めなくなる。

旅行者がスーツケースを抱えて税関を通るように、
中国から沢山の物を積んだ船がアメリカに入る時にも、
関税がかかるんです。

関税がかかると、
アメリカの人たちは、
中国から来た物を関税の分だけ高く買わなくちゃいけなくなる。

関税の分、
値段に上乗せされるということです。

関税をかけて値段が上乗せされれば、
「中国から高い物を買うよりアメリカの工場で作ったほうがいい」と
なるんじゃないかと思って最初に仕掛けたのが、2018年の3月。
この時、トランプ大統領は、中国製品への25%関税の大統領令にサインしました。

トランプ大統領は色々なものに関税を掛けようとする。

アメリカが中国から買い過ぎて赤字になっている。

赤字になっている分だけ、
アメリカの工場で働く人たちの仕事がなくなっているじゃないか、と、
トランプ大統領は考えました。

そして、
中国の安い色々なものに関税を掛けることになりました。
それが、2018年7月です。

最初は鉄鋼製品。
その後はロボットとか、半導体とか1000品目以上、
合わせて500億ドル分、中国製品に関税を掛けると宣言しました。

関税で圧力をかけていけば、
中国が、輸出を減らしたり、
アメリカからたくさん物を買って相殺したりするのではないか、
と期待したわけです。

でも中国、アメリカに対して
「理不尽に一方的に関税をかけるなら、私たちも我慢できません」と
対抗してきたわけです。

中国も、
アメリカから買っていた大豆や牛肉など主に食料に、
同じ金額だけ関税をかけて対抗する、と報復に出てね。
約800品目、500億ドル相当に関税をかけました。

貿易戦争は加速化する

常識的に考えると、
関税をかけて得する人はほとんどいません。

中国から物を仕入れている企業は、
コストが上がりますし、当然これに伴い、消費者に提供される
商品にも価格が上乗せされて高くなります。

なので、
関税をかけるというのは、
必ずしも合理的な選択ではないわけです。

2018年12月に一時休戦

2019年12月、アルゼンチンでG20で
トランプ大統領と習近平国家主席が直接対話をして、
一時休戦が決まりました。

その後、
各国の貿易担当の閣僚たちが議論を続けて、
米中双方とも2019年6月に日本の大阪で開催された
G20までに何とか事態を納めたいと思っていたところに、
5月、トランプ大統領がTwitterでトランプ砲を放ちます。

閣僚交渉の最中、
2000億ドル相当にかけていた関税を10%から25%に引き上げるー
となりました。

これに対して中国も、
600億ドル相当にかけていた5~10%の関税を
最大25%まで引き上げるぞと報復しました。

すると、アメリカはさらに、
残り3000億ドル相当、
中国製品のほぼすべてに関税をかける、と言い始めました。

最初は、
消費者の身近なものには掛かっていなかった関税も、
中国で作る、iPhoneやナイキのシューズにまで、
関税が掛かることになりました。

わかりやすいところでは、中国で作られるiPhoneとかナイキのシューズ。
中国をたたくために、そういうものにまで関税をかけようとしたわけです。

最終段階の関税には、
携帯電話やノートパソコンを含む機械機器、玩具・スポーツ用品、縫製品、
履物など消費財が6割以上を占めるとの見方もあり、
一般消費者への影響が懸念されることから、
トランプ大統領は2020年の大統領選挙への影響も考慮して、
追加関税の発動には慎重とされてきました。

そして、
2019年6月にG20大阪サミット。

対立がエスカレートする最中、
トランプ大統領と習国家主席は、一応、直接会談し、
建設的な対話ができたということになりました。

アメリカと中国の対立は根深い

アメリカと中国というのは、
国の運営方針がそもそも異なる二カ国です。

アメリカは、自由主義経済。
企業が自由に競争して世界で戦っていこうという考え方です。

一方中国は、
国家主導経済で、国全体で
世界の経済競争に勝ち残っていこうという仕組みです。

中国が国を挙げて情報や技術を集めて
製造立国・情報立国として発展していくことを、
すごく問題視しています。ようは脅威だということです。

アメリカは中国に追われる身で、
中国が今のペースで経済成長を続けていくと、
1位の座が将来的に危ういとも考えるのでしょう。

アメリカはナンバーワンであり続けるために、
中国が国を挙げて経済的に伸びてくるやり方を
改めさせたいっていうのがあるのですが、これは結構根深い問題なのです。

また、
アメリカで検索というと、Googleですが、
中国の場合はバイドゥという全然違うサイトがあります。

アメリカにAmazonがあるとすれば、
中国ではアリババがあり、

アメリカでスマホだったらAppleがありますが、
中国だったらファーウェイ(HUAWEI)です。

アメリカIT圏と中国IT圏みたいなものができて、
デジタル覇権争いなどもさらに激烈になっていくと、
互いにかみ合うことなく別々に発展していく可能性すらあります。

そうなったら、
日本にも影響が出てきます。

アメリカ向けでも中国向けでも
共通のものを作っていればよかったのが、
これはアメリカ向けに、あれは中国向けに開発して、
ってことになるかもしれません。

日本企業も、
アメリカと中国の両方と取引できれば良いのですが、
どっちの味方か、という話になるだとか、

日本で部品を作って、
中国で組み立てて、
アメリカで売るという仕組みなどが難しくなったりだとか、
そういうことが難しくなるかもしれません。

アメリカ向けはベトナムやタイで組み立ててアメリカに運ぶ。
中国向けのものは日本から中国に工場を出して、
そこで作って売るという、動きは何となく出始めています。

こういうものは、
スイスのジュネーブにあるWTO本部、
G20とかWTO=世界貿易機関が、
世界の貿易問題を共通のルールで是正していこう、
維持していこうと動くべきなのですが、
いまひとつ、協調の仕組みが機能していないのも事実です。

このような目で見ると、
世界はつながっているので、
米中と言っても実は日本の問題であり、
東南アジアの問題であり、ヨーロッパの問題であり・・・となるわけです。

難しい世の中です。

よりわかりやすい解説はNHKをご参照ください。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji6/

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