投資で大損をしてしまう人間の特性とは

こんにちは。
投資1年目の教科書の事務局スタッフです。

本書の第1章「投資1年目から投資家マインドを身につけるための6箇条」の、
フォローアップ(補助)記事の続きになります。

お役立ていただければと思います。

1-3 投資で大損する理由を知っておこう

日本人投資家の8割から9割は負け組。
こういったことを聞いたことがある人も
少なくないのではないでしょうか。

投資をしていくのであれば
稼ぐこと以上に
資金を守ることに力を注ぐべきです。

そのためには
リスク管理や資金管理の知識を
しっかりと身につけないといけません。

投資は、
投資に使うお金(投資資金)の大きさが
ダイレクトに収入に関わるという点で、
労働収入とは異なります。

投資資金1千万円で
年間20%の利回りでは、
+200万円ということになります。

投資資金600万円で
年間20%の利回りは、
+120万円です。

年間20%の利回りで
もしも投資資金1千万円のうち
400万円損してしまったら、
年間の利益が80万円減ることになります。

つまり、
一度大きな損をすると
取り戻すのに時間がかかるのです。

それが、
稼ぐこと以上に
資金を守ることに力を注ぐべき理由です。

さて、
それを理解して勉強していても
損を繰り返す投資家は大勢います。

中には大損をする人もいます。

なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか。

これについても、
人間の特性を解き明かすと答えが見えてきます。

前回の記事で、
コイン投げのゲームについて書きました。

コインを1回だけ投げて、
表がでたら100万円もらう
裏がでたら50万円支払う
ゲームをしなければ20万円もらう
といったものです。

ゲームに参加した場合の期待値は25万円で、
20万円よりも高額であるにも関わらず、
損をしたくないために
ゲームをしないで20万円をもらう
という選択肢を取る人が多いという話でした。
⇒「投資に完璧な手法などない?危うい人間の特性

このように
人間は合理的な判断よりも
リスク回避を優先する特性を
持っているということなのですが、

もうひとつ大きな特性があります。

損をしている時ほど、損を選ぶ。

先ほどのゲームで運悪く裏が出て
50万円を失ったとします。

すると主催者から、
「損を取り返すために
今度はルーレットを回すのはどうか?」
と提案されます。

このルーレットは
赤いマークが30%
黒いマークが70%で、

赤いマークがでたら100万円もらう
黒いマークがでたら30万円支払う
ゲームをしなければ10万円返金される

というルールです。

ルーレットを回した場合の
期待値を計算すると、
(100万円×0.3)-(30万円×0.7)=9万円

となり、
10万円を受け取るほうが
1万円得になるのですが、

この場合、
ルーレットを回す人のほうが多くなるそうです。

明らかに
冷静ではなくなっていますね。

つまり、このように人間は、
損をしている状況下にあると
取り返そうとする心理が働き、

非合理な期待に基づいた
意思決定をしてしまうのです。

こういった特性を説いた理論を
「プロスペクト理論」といいます。

このプロスペクト理論は、
投資にもあてはめることができます。

投資で勝つ基本は、
損失を最小にして
利益をできる限り伸ばすことですが、

このように
不合理な選択をする人間の特性は

損切りすべき時に損切りをしない、
利益になることに期待して
持ち続ける(塩漬け)などして、

結果的に大損をする危険性を
はらんでいるわけです。

こうした思わず不合理な判断をしてしまう
人間の特性(プロスペクト理論)をよく理解し、
しっかりとした合理的なルールに裏付けされた
投資のスキルを身につけなければならないのだということを、
覚えておいてください。

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